新しい木質建築への挑戦 MEIKEN GREEN BOX

弊社が設計・監理に関与しました、MEIKEN GREEN BOXが日刊建設工業新聞「木造・木質建築特集2025」に掲載されました。
-鉄骨倉庫にCLT降臨-

GREEN BOXは、CLTの製造・施工を手がける銘建工業、構造デザインの桃李舎、デザイン監修の京都大学小林研究室、そして昭和設計の共同で開発した「ロッキングCLTフレーム」を初めて実装した倉庫です。場所は岡山県真庭市、延床は約1,300㎡。設計・監理から試行施工までを一体で行いました。
「ロッキングCLTフレーム」は、建物の骨組みである鉄骨フレームに大判のCLT耐震壁を組み込むハイブリッド構造です。鉄骨造が持つ構造的合理性と経済性に、木の温かさや質感を加える「木質化」を、木造に置き換えずに実現します。無機質になりがちな鉄骨倉庫の内部にCLTがリズミカルに林立し、温かみとヒノキの香りに満ちた有機的で豊かな空間が生まれます。

CLT耐震壁はフレーム内でわずかに回転しながら揺れに追随するロッキング機構により、地震時の水平力を圧縮ストラットとして負担します。そのため、鉄骨柱に水平力による圧縮付加軸力がほとんど発生しません。結果として、スレンダーな鉄骨フレームが可能になり、鋼材量の削減と軽やかな架構を合理的に両立できます。さらに、類似構造で見られる引張金物を用いないため、CLTの断面欠損を最小限にでき、かつ、施工手間も省くことが可能となります。
こうした構造的合理性と木質化を併せ持つことで、GREEN BOXは「モノを貯蔵する箱」から、内部で作業するヒトのウェルネスにも配慮した倉庫建築へと進化しました。 また、現代の木利用に欠かせない環境面の価値として、木材に固定されるカーボンストックがあります。
GREEN BOXで使用した木材の炭素貯蔵量は約22t-CO2(林野庁「炭素貯蔵量計算シート」に基づく換算)に相当し、スギ人工林約1,000㎡分の二酸化炭素蓄積量に匹敵します。すなわち、延床約1,300㎡の鉄骨造倉庫で、ほぼ同規模の森林の炭素を都市にストックしたのと同等の効果が得られ、一定のCO2固定化を実現します。