本施設は、約300席のホールを中心とした湯布院公民館と湯布院庁舎からなる複合施設である。湯布院は観光業が盛んであるとともに、古くから住民の主体的な活動が展開されている地域である。新しい複合施設では、従来の住民活動を更に発展的にとらえるだけではなく、複合化するメリットを最大限活かすことが求められた。
「由のまちロビー」と名付けた共用空間を中心に、庁舎や公民館機能が互いにつながりあい空間を共有できる空間づくりを行った。由のまちロビーは庁舎の待ち合い、イベント時のホワイエ、こどもたちの自習の場など多種多様な使い方に応えられるよう計画した。
また敷地西側に由布院小学校をはじめとする湯布院の主要幹線となる市道、東側に商店街が広がる立地をふまえ、施設に沿って東西を繋ぐ歩道(由のまち小路)を設置し、地域全体を結ぶ動線づくりを行った。ホールは木に包まれた2階席の臨場感ある空間となっており親子席やベンチ席、立見席など様々な客席を設置した。湯布院音楽祭や映画祭など、イベントが豊富な湯布院の多様な観覧スタイルに応えることを意図している。
また湯布院の街並みになじむよう、高さを抑えるとともに勾配屋根でモノトーンの落ち着いた外観としている。