本施設は、約250席のホール、調理実習室、図書館などからなる庄内地域の文化活動の拠点となる公民館である。由布市庄内地域は、神楽を中心とした「ハレ」と「ケ」の場の抑揚のある生活が根付いている。
施設は、「にぎわいロビー」と名付けた共用空間が、各活動室をゆるやかに繋ぎ、地域に根付いた多様な文化活動を支えられるような構成となっている。
広々としたロビースペース内に、キッズスペースやオープンな湯沸かしカウンター、屋外と連続するスペースを確保することで、非日常の場面の様々なイベントや使い方が拡がる設えとしている。ホールステージは、屋外ステージと連続させることで、前面の芝生広場を観客席とした使い方、屋内外のステージを利用した演出など、神楽の練習、新たな催し物の演出が可能になっている。また、ホールや図書館などの主要機能をRC造及びS造、それらを繋ぐにぎわいロビーを木造とすることで、木造の水平力をRC造で負担するとともに、主要な活動を支える空間、それらを包む暖かな木の空間のメリハリを表現している。さらに、木造の空間と一体となった照明ボックスや、床置き空調の設置など、将来にわたる維持管理に配慮した施設づくりを行っている。