大阪Project 14

大阪市立伝法幼稚園

園児の伸びやかな活動を促す立体的回遊空間

大阪・関西万博の開催地がある此花区にあって、淀川治水対策の一環で街区整備が進む計画地に建つ、昭和2年から近隣の方々と共に歩んできた大阪市立の幼稚園です。

私が初めて訪れたその場所は、市内ではめずらしくゆったりとした園庭に、ビワ、キンカン、ドングリなどの実のなる樹木や大小さまざまな遊具、色とりどりの草花やたわわに育った作物のある魅力あふれる幼稚園でした。普段の生活では体験できない園児たちのわくわくが詰まった人気の幼稚園が、阪神なんば線の橋梁改築工事の影響で、コンパクトに形を変えることに寂しさを感じつつ、新園舎にも伝法幼稚園らしい屋外空間を提供したいと考えました。

園児たちの伸びやかな活動を継続するため、平面的に小さくなった園庭に対し、新園舎の屋上テラスと屋外階段やテラスを効果的に配置し、立体的に回遊できる保育空間を計画しました。
また、テラスに面する廊下や屋内階段付近に、デンや水場を設け園児たちの居場所づくりを行い、季節や天候に左右されずに、内外とも活発に活動できる保育空間を目指しました。

園舎の真ん中に設けた屋上テラスは、夏は組み立てプールを置き、秋は屋上の畑でとれた野菜を収穫し、屋上テラスでのコンサート等、四季折々活動の場として活用され、再び愛される園舎として歩みを始めています。

建築設計部 佐々木 理絵

大阪府大阪市此花区伝法3丁目4Google Map
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