まちに開き、訪れる人を迎えるキャンパスの新しい顔
Photo エスエス 秋田広樹気品をまとい、非対称なファッサードが四周を巡る、印象的な外観
Photo エスエス 秋田広樹緑地や通りの様子を見わたせる、昼食や憩いの場
Photo エスエス 秋田広樹看護学部・医学部の学生や教職員の交流や協働の場、多目的ホール
Photo エスエス 秋田広樹医療現場を模した多様な実習室を整備
Photo エスエス 秋田広樹
大阪Project 17
公立大学法人大阪看護学部学舎
新しいキャンパスを象徴する学舎
統合により生まれ変わった大阪公立大学。上町台地のエッジに位置する、医学部・附属病院のある阿倍野キャンパスは、医療分野の研究と実践で、大阪に暮らすみなさんの生活を支えてきました。そのキャンパスの新しいスタートを象徴する事業です。
水平にバルコニーが回る形式と既存棟と揃えた外壁の色調に、金属パネルやルーバーを用いた軽やかさと上昇感・浮遊感を加えて、非対称なファサードが四周を巡り、足元が透けて中へと誘います。
道路沿いの緑地へと、開放的な低層部分が手を差し伸べるように張り出し、棟が密に林立するキャンパスに、奥行きや広がり、親しみやすさを加えて、「開かれたキャンパス」を表しています。
内部には、講義室や実習室といった機能的な諸室に加え、看護学部と医学部、学生と教職員のコミュニケーションを育むさまざまなスペースを設け、活動的・能動的な学習や研究を促すデザインの工夫を散りばめています。
さわやかさ、こまやかさ、やわらかさ、といった気品をまとい、まちに開く学舎の姿は、未来へと続く私たちの社会の中に足を据え、人々が寄り添い共生する社会に貢献し続ける、看護という分野のあり方を表現しています。より多くの若いみなさんが、この分野を志していただけるように、という願いが込められています。
建築設計部
小平 弥史