夕暮れから、レースカーテン越しの光りが街に出現。コンセプトカラー4色をランダム配置したカラフルな外観
Photo 松村 芳治2階レストランのインテリアは大阪の街を盛り上げるべく堺筋に面して配置。天井にはホテルのロゴマークを引用した錫色パネルをちりばめ、ホテルの「おもてなし」がフロントからカーテンウォールを抜けて街に広がっていく様子を表現
Photo 松村 芳治2階レストラン
Photo 松村 芳治
インテリアは節や割れを生かした木、ニュートラルグレーの左官材、黒皮鉄などマットな質感と表情豊かな素材で統一2階レストラン
Photo 松村 芳治
東面のカーテンウォールから朝日が差し込む、朝のひと時コーナーツイン
Photo 松村 芳治
モノトーンの空間に歌舞伎衣裳から「桜」「緑」「黄」「紫」の4色のコンセプトカラーを部屋毎に取り入れた華やかな客室
宗右衛門町ホテル
大阪らしさ。
設計時、大阪は急成長渡航先ランキングで2年連続世界一となっていました。その中でもミナミが最も人気があり海外のSNSには「楽しい」「美味しい」「人が気さく」などポジティブな要因が列挙されています。その大阪をベースとした観光の拠点となる新ホテルで、大阪らしさを表現することは必然であり、大阪の特長を分析するところからプロジェクトはスタートしました。
街を歩きながら、大阪が培ってきた「誰とでもすぐ仲良くなれるグローバルレベルのコミュニケーション力」「カラフルな街やヒューマンスケールの界隈性」「庶民から生まれた上方文化」など世界に評価されている「大阪のええとこ」をすくい上げ、デザインコンセプトは「大阪を ‐粋‐ の精神で表現する」としました。他にはないここだけの「ほんまもんの大阪」を感じるデザインとして、「力強い華やかな和」、「上方歌舞伎の衣裳」、大阪の伝統工芸である「錫」の3つの要素を施設にちりばめています。
哲学者九鬼周造は「いき」とは「垢抜けして張りのある色っぽさ」であるとしました。当ホテルの軽く崩した自由なデザインが歴史ある宗右衛門町の街に粋な色気を与えることができたと感じています。
建築設計部
中山 至