Project 5

八尾市立病院

まちに開かれた病院

この病院はJR久宝寺駅の南側に広がる操車場跡地を利用した敷地に計画しています。かつてはここから東京方面に向かう列車もあったそうで、歴史的には賑わいの場でした。このような経緯があるため、街区は東西に長細く、かつ線路によって人や車の往来に制約がある難しい敷地になっています。

この病院の計画によって街を南北で分断してはならない。建物用途は病院ではあるものの、かつてこの操車場から旅立った人達のように、賑わいがあり、希望へ繋がる病院づくりを目指したい・・・、そんな思いから“まちに開かれた病院”ということを計画の一つの軸に据えました。

誰もが気軽に立ち寄れるような、ある意味“病院らしくない病院”ということを具現化するため、メインエントランスにガラス張りの開放的な吹抜空間“まちなかステーション”を配し、水盤を望むカフェやコンビニ・図書コーナーなどが顔を覗かせる誰でも立ち寄りやすい空間としています。

建物外観は南北への街の眺望が連続するようヴォイドを設け、建物をセットバックさせながら積極的に屋上緑化を取り入れています。時が流れ、この病院を利用される方々にとって“ふるさとの記憶“として親しまれることを願って止みません。

建築設計部
 渡辺 多加夫

大阪府八尾市龍華町Google Map
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