緑の大地に佇むヒーリングスケープの創造をテーマとし“緑視率”を高めた景観づくりに配慮しています
Photo 松村 芳治病棟が利用者をゲート的に迎えるダイナミックなアプローチ空間としています
Photo 松村 芳治まちなかステーション
Photo エスエス大阪
カフェ・コンビニ・図書コーナーなどを内包する地域に開かれた病院とし、目的とする行き先が分かりやすい空間構成としていますスタッフステーション
Photo エスエス大阪
インテリア・サイン・アートを一体で計画することで、患者・スタッフにとって癒しの環境となるよう心掛けましたコリドールギャラリー
Photo エスエス大阪
外来のメイン廊下をギャラリー的に活用できる空間とすることで待つストレスの軽減に繋がる場としています
八尾市立病院
まちに開かれた病院
この病院はJR久宝寺駅の南側に広がる操車場跡地を利用した敷地に計画しています。かつてはここから東京方面に向かう列車もあったそうで、歴史的には賑わいの場でした。このような経緯があるため、街区は東西に長細く、かつ線路によって人や車の往来に制約がある難しい敷地になっています。
この病院の計画によって街を南北で分断してはならない。建物用途は病院ではあるものの、かつてこの操車場から旅立った人達のように、賑わいがあり、希望へ繋がる病院づくりを目指したい・・・、そんな思いから“まちに開かれた病院”ということを計画の一つの軸に据えました。
誰もが気軽に立ち寄れるような、ある意味“病院らしくない病院”ということを具現化するため、メインエントランスにガラス張りの開放的な吹抜空間“まちなかステーション”を配し、水盤を望むカフェやコンビニ・図書コーナーなどが顔を覗かせる誰でも立ち寄りやすい空間としています。
建物外観は南北への街の眺望が連続するようヴォイドを設け、建物をセットバックさせながら積極的に屋上緑化を取り入れています。時が流れ、この病院を利用される方々にとって“ふるさとの記憶“として親しまれることを願って止みません。
建築設計部
渡辺 多加夫