来館者の出入口がある道路側の外観。周辺地域に対して圧迫感が出ないよう建物を分節した、勾配屋根が連なる外観デザイン
Photo 株式会社 伸和 藪内正直1階エントランスホール
Photo 株式会社 伸和 藪内正直
来館者を迎えるエントランス空間。左手には活気のあるセリ場の風景を垣間見ることができる2階エントランスホール
Photo 株式会社 伸和 藪内正直
食育や集会ができるセミナー室や見学者通路、各種事務室に繋がる共用空間2階の見学者通路
Photo 株式会社 伸和 藪内正直
1階の加工場を上から見学できる2階の見学者通路。加工の手順に沿って順番に見学していくことが可能1階の加工場の一部。室温が10℃以下に設定され、部屋そのものが冷蔵庫のような空間
Photo 株式会社 伸和 藪内正直
京都Project 1
京都市中央卸売市場第二市場
安心安全な食肉の提供、京都ブランドの世界への発信、市民に開かれた食育の場所づくり
食肉市場は、皆さんが口にする食肉を市場に流通させるための食肉加工場です。
人の食文化を支える重要な施設は、昨今高機能な衛生基準を求められている一方でなかなか一般の方にその存在を知られてはいません。
京都第二市場では、牛と豚の加工を行っています。今回のプロジェクトは、老朽化した現在の市場を稼働させながら随時建替していくものでした。非常に複雑な加工工程や現地の状況を一つずつ整理しながら、設計から工事完了まで7年以上の歳月を費やしました。
新しい京都第二市場は、京都の高品質な食肉を、アメリカをはじめとする海外に輸出するための厳しい衛生基準をクリアする、高機能な施設を目指しました。またそれにあわせて食肉加工を見学できる食育の場所づくり、これまでの食肉施設の雰囲気を変える京都らしさを纏った施設づくりをコンセプトにしました。
加工場全体が一つの冷蔵庫のような「コールドチェーン」システムの採用、加工の流れがよく分かる見学ルートの設置、街並みに沿うような「加工場らしくない」施設デザインなどを意識し、市場の機能面に加え、市場と社会がより密接に関わっていくことを目指して設計を行いました。
九州事務所
西川 正晃