新しい玉手山支部は敷地内のお庭や玉手山の周囲の自然と呼応した「美による感化」を体現する施設です。
Photo 松村芳治誰もがアクセスしやすい位置に設けたカルチャーサロン・ラウンジは、支部の活動を発信し、地域と交流できる空間です。
Photo 松村芳治木の曲面天井が重なり合う象徴的な礼拝空間。美しさと優しさが共存した祈りの場となります。
Photo 松村芳治風景を映し出す水盤は、礼拝へ向かう人々の心を鎮め、自然の美しさを感じる空間です。
Photo 松村芳治夕刻を過ぎると、やさしい光に照らされた建物が浮かび上がり、外灯の少ない道路や地域を柔らかく照らし出します。
Photo 松村芳治
大阪Project 10
神慈秀明会玉手山支部
未来に向けたつながりを
「支部が行われている素晴らしい芸術活動や文化活動を、多くの方に知っていただきませんか。そして、地域、さらには世界へとつながる新しい支部をつくりませんか。」
そんな提案に賛同し、私たちを設計者として選んでいただくところから、このプロジェクトはスタートしました。これからの宗教施設として、信仰を深められる心安らぐ空間であることはもちろん、地域と関わりながら、新たな世代の人々を導くことができる施設とつくることが大切だと考えたのです。玉手山支部は神慈秀明会が謳う芸術活動のなかでも、自然農法や秀明太鼓、茶道といった芸術文化に力を入れており、それぞれの活動を行うための施設を支部の周辺に所有しています。これらの活動を地域や一般の方々に発信したり、体験してもらうことができるよう、カルチャーサロン・ラウンジという開かれた交流空間を新しい支部に設けることで、支部の活動を広く知っていただき、未来に向けたきっかけづくりになるのではないかと考えました。
建替えの話をいただいた頃、神慈秀明会がちょうど設立50年を迎えたばかりでしたが、団体として新たな50年に向けてどうあるべきか、また玉手山支部がこれからの宗教施設として、どう生まれ変わるのかを問われたプロジェクトだったように思います。新たな玉手山支部は、これまで神慈秀明会が育んできた芸術活動や自然農法など世界に誇れる文化を、地域や一般の方々に発信する場を備えた、これからの神慈秀明会のフラッグシップモデルとなることを願っています。
建築設計部
出来 佑也