Project 4

阿倍野歩道橋

人が主役のみちづくり

阿倍野の街は熊野に繋がる街道と共に発展し、街道は交通だけでなく出会いや商いの中心でした。プロジェクトを通し、人が主役であった「みち」を再生したい、との思いを常に持っていました。

天王寺駅では一日約80万人の乗降客が行き交います。活動の起点として「行きたい所にすぐ行ける」ことは必須と考えました。歩行経路ごとの交通量を歩道幅に置き換え、滑らかにつなぐことで、交差点上に歩きやすく覚えやすい「a」の文字を導き出しています。
歩道橋上には、構造体越しに展開する変化に富んだシークエンス、通天閣・天王寺公園や夕日の街を望むスペースなど、街の魅力を体感し、眺める・集う・佇むといった活動を喚起する、多様な場を創りました。

ハルカスをはじめとする巨大な構造物群の中に身を置く歩行者が心地よく過ごせるよう、構造体は「自分」と「都市」の中間的な領域をつくる立体トラスとしています。シームレスに隆起する屋根は、圧倒的なスケールの都市景観の中でヒトの居場所を可視化します。

阿倍野歩道橋プロジェクトは、「みち」を恒常的に「人が主役の空間」にすることで、人の営み、人のちからを顕在化し、魅力的な都市の創造を目指す取り組みです。

建築設計部 久保 岳
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